【松栄亭】夏目漱石も通った町の洋食屋さんでオムライス!漱石のための洋風かきあげはレシピで!
神田淡路町、これからランチ!
お店をさがして小道に入ると、1F部分がちょっと気になる建物。
近づくと、「洋食 松栄亭」。
看板を見ると「Since 1907」!
1907年と言えば、明治40年!
創業100年以上、老舗の洋食屋さんか!
建物は建替えられて今の姿になったのだろう。
よし、今日は町の洋食屋さんランチ。
オムライスでもいただこう!
入店する。店内はそれほど広くはない。
テーブル席が主体で、席数は20席ほどだろうか。
居心地のいい、こじんまりとした町の洋食屋さんという感じだ。
奥を見ると、マスターと思われる男性がひとり。
今日はワンオペのようで、調理に会計に忙しそう。
案内を待たずに、空いているテーブル席につく。
テーブルにメニューはない。
向かいの壁を見ると、表札サイズのメニューが20個ほど並んでいる。
さて、オムライスはあるだろうか。
しかし、すぐに「オムライス」と書かれたメニューが見つかり、一安心。
せっかくなので、他のメニューもざっと見てみる。
トンカツ、ポークソテー、ハンバーグ、コロッケ、アジフライ、チキンカツ、エビフライ、ハヤシライス、カツカレーなど。
町の洋食屋さんの定番メニューが並んでいる。
おっ「カツ丼」まであるのか。
洋食ではない気がするが、メニューにあるトンカツと同じ材料、あっても不思議ではない。
んんっ、「洋風かきあげ」!?これは何だ?
ふと別の壁を見ると、たて100cm×よこ50cmほどの1枚のポスター。
「洋風かきあげ」と書いてある。
説明書きを読んでみよう。
夏目漱石のために、肉、玉ねぎ、玉子、小麦粉というあり合わせの材料で作った一品。
おおっ、さすがSince1907!
明治の文豪、夏目漱石も通った洋食屋さんだったのか!
おっ、レシピも付いている。読んでみよう。
ふむふむ、そういうことか。
だが、料理が得意でない私には、よくわからない…。
もしかしたら、ソーセージを取り除き、豚や玉ねぎ、キャベツを使った高級生地の「アメリカンドック」のようなものだろうか?
う~ん、気になる。注文はこれにしてみようか。
注文を聞きに来たマスターに「洋食かきあげ」をオーダーする。
するとマスター、私の目を見て「2人前からですが、いいですか!?」と。
想定外のカウンターパンチだ。
食べ物には、好き嫌いがあるだろう。
さらに偉大なる明治の文豪の夏目漱石と、ちっぽけな現代の小市民の私とでは舌の出来が違うかもしれない。
そう考えると「2人前」というのは、ちょっとリスクがある。
万が一残してしまったら、申し訳ない。
さらに2人前にすると、お値段もはる。
んー、どうしよう。
動きが止まる私に、マスターが決断を迫る。
「どうしますか?」
助けを求めるように、まわりのテーブルをチラ見する。
洋風かきあげを食べている客はいない。
先客が食べているのはトンカツ、カツカレーなど。
優柔不断な私に、「喝(カツ)」を入れているようにも見える。
よし決まった。マスターの目を見て、
「オムライス、お願いします!」
ふー、初志貫徹、注文完了!
洋風かきあげはレシピで楽しもう。
ポスターを見ながら、オムライスを待つ。
そして5分ちょっとで「お宝」が登場!
薄焼きの玉子につつまれたオムライスだ。
最近はふわとろ系のオムライスをいただくことが多いので、逆に新鮮な感じだ!
そしてオムライス以外に、付け合わせなどは何もない。
ザ・オムライス!
神田っ子の気風のよさ、潔さを感じる。
そう思うと、一見、無造作なトマトケチャップのかけ方にも、飾らない気風、潔さを感じてくる。
よし、いただこう。
ぱくり!
うーん、懐かしい感じのケチャップライス!
なんとなく、ほっこりしてしまう。
そしてライスの中には、チキンが10個は入っているだろう。
チキンとは言え、たくさんのお肉が入っているのはうれしいものだ。
さらに食べ応えのあるライスのボリュームもありがたい!ごはん茶碗2杯分ぐらいはあるだろう。
さすが、神田っ子の洋食屋さん!気風がいい、気前がいい!
ケチケチしてねぇところが、いいじゃねぇか!
と、ものの5分もかからず完食!
ごちそうさまでしたー!
お店を出て、ふと思う。
今度は二人で来よう。
今日はレシピを見るに終わった、漱石の「洋風かきあげ」をいただきに。
【松栄亭】
千代田区神田淡路町2-8
淡路町・小川町駅3分
03-3251-5511
11:00-14:00・17:00-19:30 日祝休
※最新情報はお店にご確認ください。
【地 図】
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