【河北や】コリコリ鶏肉、やさしい鶏出汁、かみ応えの黒いそば!山形名物、河北「冷たい肉そば」いただきました!
神田小川町。取引先からの帰り際、山形出身の部長から、木村さん、山形の「河北そば」知ってる?とご質問をいただく。
山形がそばの名産地のひとつであることは知っている。だが、河北そば?それは、聞いたことがない。
しかし、お得意様からの質問だ。知りません!とは言えない。聞いたことはあるのですが…と笑顔で答える。
中途半端な回答だが、ビジネスマンとしては、ギリの最適な回答だろうか、多分。すると、
だよねー、河北そば、あまり知られていないんだよねー。
ちょっと、ホッとする。しかし、
この近くに河北そばのおいしいお店があるから、行ってみて!説明するより、食べてもらった方が早いから!
やや厳しめの取引先の返しを受け、小川町の交差点から南へ、河北そばのお店に向かう。
歩くこと3分ちょっと。
上を見ると、河北やの看板、のれんは山形肉そば!ここだ!
おそばは、肉そばか!
あったか汁、あったかおそばの上に、お肉!
お肉は豚肉?それとも牛肉だろうか?
う~ん、どちらでもオッケーだ!
るんるん気分で、足もとの看板を見ると、名物 冷ったい肉そば。
冷ったい肉そば?
多分これは、山形の方言。冷たい肉そば、ということだろう。
あったか肉そばではないのか。
しかし、郷に入っては郷に従えだ。
冷たい肉そば、甘んじていただこう!
それに、ご当地系の冷たいおそばには、ちょっとうれしいこともある。
ここ東京。おそばのすすり方は、そば猪口の汁におそばを半分つけて、すすっと。
半分づけが江戸っ子の基本、これが小粋なおそばな食べ方、すすり方!
しかし落語にもあるが、本音を言うと、半分ではなく、全部づけでいただきたい。
その方が汁もしっかり味わえ、うまいはず。
半分づけは、見栄っ張りとやせ我慢、それが美学の江戸っ子のローカルルールじゃなかろうか。
と、冷たいおそばをいただく時は、いつも葛藤がリフレインする。
しかし!これからいただくおそばは、ご当地系!
河北そば、山形のおそばだ!
山形そばなら、治外法権、江戸っ子ルールの適用外だ。
この間も、越後のご当地そば、へぎそばを全部づけでおいしくいただいた。
ご当地そば、今日も遠慮なく、全部づけでいただけるのがうれしい!
と、のれんをくぐって、入店する。
お店に入ると、目の前に券売機。
「肉そば(冷)580円」を先頭にいろいろ並んでいる。
おっ、ごはんものとのセットもある!
かぶり丼肉そばセット
ミニカレー肉そばセット
ミニカツ丼肉そばセット
んっ?なんだ、先頭の「かぶり丼」って?
と上を見ると、「かぶり」とは!
豚ロース肉
旨味!適度な歯ごたえ!
パラ肉・かしら肉にない贅沢な部位です!
ちなみに「カルビ」ではありません。
う~ん、わかったような、わかっていないような。
しかし、これも山形、河北の名物なのだろう。
であれば、これもいただくべしだ!
もしかしたら、カルビとロース一辺倒だった新社会人時代。
ハラミを知った時の、これもいいじゃないか!の純朴な感動。
それと同じ感動を、体験できるかもしれない。
と、「かぶり丼肉そばセット(930円)」のボタンを押す。
そして、注文口で食券を渡し、店内を進む。
店内は、テーブル席に、
カウンター席。
ひとり客の私は、カウンター席につく。
ふと壁を見ると、筆書きの看板。見ると、
昭和五十九年
山形県河北町食堂に立ち寄り
「肉そば」を何気なく食べました。
何だか、物語が始まりそう!
その時の感動。
東京に戻った後の想い出の感動は今でも続いています。
河北町の「肉そば」は、
ええっ、なに、なに、河北町の「肉そば」って!?次を知りたく、急いで目線を左にずらす。
一.冷たい秘伝の鶏出汁です。
二.寒い時期でも毎日食べたくなります。
三.本当に病みつきになります。
四.思い出の感動になります。
おー、これまたわかったような、わかっていないような!
しかし、なんだか、メチャメチャよさそうじゃないか!
さらに、〆の一言もいい!
この伝統的な食文化を皆様と一緒に感動したくて出店しました。
う~ん、これは楽しみだ、じっくり味わっていただこう!
と思っていると、お待たせしましたー!お店の方から声がかかる。
再び注文口に行き、お盆にのった「お宝」を受け取る。
よし、名物 冷たい肉そば、遠慮なく、汁に全部づけでいただこう!
とお盆の上見ると、
あらら、おそばは、すでに全部づけ!
あったかそばと同様、おそばはすでに汁の中!
おそばを汁に全部づけでいただきたい!という私の願望は、すでに達成されているじゃないか!
手間ひまをかけずに願望成就か。これはありがたい。
と、丼ぶりを見る。
汁は濃いめの褐色、おそばは太めの色黒!
田舎そばらしさが、私の気持ちと食欲をグッとひきつける。
そして、その上には、お肉のトッピング!
おおっ、冷ったいそばに続き、これまた想定外。
お肉は豚肉でも、牛肉でもない。鶏肉だ。
お店の方に聞くと、河北の肉そばは、鶏肉が基本。鶏は若鶏ではなく、親鳥とのことだ。
う~ん、そうなかのと目線を再びお肉に戻すと、
おっ、縦長にスライスされた鶏皮も乗っている!これは、鶏三昧を楽しめそうだ!
そして、丁寧な店員さんによると、鶏肉のとなりに盛られたねぎ、これも河北そばの必須食材とのことだ。
う~ん、勉強になる。短時間で河北そばとは何たるか、半分くらいをマスターしたかのようだ。
そして、右にある、もうひとつの丼ぶりを見る。
おー、これがかぶり丼か!
ごはんの上にきざみ海苔、その上に豚肉ロース「かぶり」がキレイに並んでいる!
かぶり丼肉そばセットにしてよかった!
おそばに加え、鶏に豚、いろいろ楽しめそうだ!
おっと、長時間注文口をふさいでいてはいけない。
他のお客さんにご迷惑だ。早く席に戻ろう。
速攻で「お宝」をテーブルに運ぶ。
それでは、いただこう!
まずは、おはしで、おそばをひとすくい!
う~ん、この黒々感はまさしく田舎そば!いい眺めだ!
そして、これを軽く上下させて、一気にすすっと!
おー、荒削りなおそばの風味と、しっかりとしたボリューム感!
カエシの醤油強めに、ほのかに優しい鶏出汁がナイスな組み合わせ!
鰹出汁のきいた江戸前と、ある意味対照的な味わいが非日常っぽくていい。
そして、おそばをあま噛みすると、噛み応えのある、いい弾力感!
田舎そばによくあるボソっと感はまったくない。
これは十割そばではないからだろう。
江戸前の二八までいかないが、一九、いやそれ以下か。
絶妙につなぎを使っているからこそ出る、噛み応えなのかもしれない。
いいじゃないか、河北そば!クセになりそうな味わい、口あたりだ!
そして、お肉もいただく!ぱくりっ!
おおっ、これまたいい口あたり!
コリコリっとして、ややカタめの歯ごたえがすごくいい!
さっき、お店の方が鶏肉は親鳥と言った意味がわかった。
このコリコリ感、歯ごたえは、親鳥ならでは。若鶏では出せないだろう。
う~ん、こういうタイプの肉そばもあるのか!これも、いいじゃないか!
またまた、おそばをすくって、すすっと!
う~ん、いい歯ごたえ!
つゆ全づけを越える、おそば汁の中だから、汁の味わいもしっかり楽しめる。
そして、お肉をパクリっ!
う~ん、このコリコリ感がたまらない!
脂は適度、鶏の味わいしっかりなのもいい。
さらに、鶏皮とおそばを一緒にいただく。
おー、おそばと鶏皮の二重奏!これまためったに経験できない!
豚肉、牛肉のあったか肉そばにはない、いつもと違った味わい、食感が楽し過ぎる!
よーし、かぶり丼もいってみよう!
お肉をひとつつまんで、パクリっ!
おっ、脂をおさえたあっさり系、ほどよい旨味と、軽やかな歯ごたえ!
確かに、よく食べる豚ロースとはちょっと違う、なんだか新たな発見だ!
そして、もうひとついただく。今度は刻みしょうがをのせて、パクリっ!
おー、あっさり系には、しょうがのパンチがマッチする!
う~ん、いいじゃないか!
お肉が進む、ごはんも進む!
上からふられた白ごまがまた、いいアクセント!
盛られたねぎと一緒にいただけば、爽やかな味変気分!
テンションのあがったおはしはおそばすくい、すすっといただく!
どんどんいただく!
う~ん、おそばも進むー!
おそばも、ねぎとよく合う!さすが、必須食材、いいおとも!
ますます、おそばが進む!
おっと、このあたりで辛味の味変も楽しもう!
一味を軽くササっとふる!
あ゙あ゙ー、!しまった、ちょっとかけ過ぎた!
まあ、いい。誤差の範囲とおそばをすする!
おっ、むしろ、辛さでさらに勢いづく。
おはしは加速度を増し、おそば、かぶり丼をぐいぐい、どんどんいただく!
そして、あっと言う間に完食!
勢いづき過ぎて、汁まで飲み干し、ごちそうさまでしたー!
う~ん、これが「河北そば」か!
また食べに来たくなる味わいだ。
そう言えば、お酒の肴メニューも壁にいろいろあった。
夜来て、一杯飲って、〆に「冷たい肉そば」!
この手もアリか!
【河北や】
千代田区神田錦町1-2
03-5283-3677
小川町・淡路町駅4分
11:00-14:00 16:00-21:00
土日祝定休
※営業時間等、最新情報はお店にご確認ください。
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