【笹巻けぬきすし】創業元禄十五年!東京最古のお寿司屋さんで伝統300年「江戸名物」をいただく!

神田小川町の交差点から本郷通りを歩いていると、趣きある佇まい(たたずまい)。

創業元禄十五年「笹巻けぬきすし」

創業300年の「笹巻けぬきすし」

んんっ!元禄十五年!?

元禄と言ったら江戸時代の前期、1700年前後だろう。

ということは、創業300年のお寿司屋さんということか!

よし、今日のお昼は、創業300年の超老舗で、江戸前寿司!

江戸っ子気分で、小粋にいただこう!

「江戸名物」暖簾(のれん)をくぐって入店する。

と思ったが、あることが気になり、足がとまった。

それは、お店の名前「笹巻けぬきすし」は、なんと読むのだろうか?

「笹巻けぬきすし」の読み方!?

再び、表の看板を見る。

「笹巻すし」だけなら、「笹巻さん」がやっているお寿司屋さんだろう。

しかし間に「けぬき」が入る。

もしかしたら、稲庭うどん「佐藤 養助」のように、

「笹巻」が姓で「けぬき」が名で、「笹巻 けぬき」すし

う~ん、座りが悪い。

それとも「笹巻けぬ」「きすし」か?

しかし先頭に「笹巻けぬ」と否定語が来るのは違和感がある。

それに「きそば(生そば)」はあるが「きすし(生すし)」は聞いたことがない。

では「笹巻け」+「ぬきすし」か?

いやいや、これも先頭に「笹巻け」と命令語が来るのはおかしいし、

「ぬきすし(抜きすし?)」なんて聞いたこともない。

しかし考えてもわかるはずがない。

後で、お店の方に聞いてみよう。

それよりも、伝統の江戸前寿司を早くいただこう。

入店して「5ヶ」を注文!

お店に入ると、ショーカウンター

すぐにお店の方が「いっしゃいませー」と奥から出てきた。

注文は、ここでするようだ。

出されたお品書きを見ると、

3ケ 5ケ 7ケ の3メニュー。

店内でのお召し上がりは、5ケからとなります、とのことだ。

う~ん、「5ケ」と「7ケ」どちらにするか。

しかし、初めての訪問だ。

ここは、おとなしく「5ケ」にしておこう。

そして、お店の方は、お好きなお席へどうぞと。

店内はテーブル席10席ほど。

甘味屋さんのようにテーブルはやや低めで、落ち着く感じ。

お茶をいただく。

そして、昔に学校で教わった元禄時代の出来事などを思い出しながら、「お宝」を待つ。

ここでふと、あることに気が付いた。

5ケするか7ケにするかの葛藤で、お店の名前を聞くのを忘れてしまった…。

「お宝」登場!

お店の方に聞こうと、顔をあげると、お待たせしました!

300年の伝統江戸前寿司の登場だ!

んんっ、これは!?

目の前にあるのは、にぎり寿司ではない。

キレイな熊笹で巻かれた「巻き寿司」だ!

300年の伝統のお寿司は「大阪寿司」の押し寿司

江戸名物、江戸前だから「にぎり寿司」とばかり思っていた。

しかし、それは思い込みだったようだ。

300年の伝統のお寿司は「大阪寿司」押し寿司だ。

確かに、江戸で「にぎり寿司」が流行るのは、19世紀江戸後期から。

それよりも前、当店創業の元禄の頃のお寿司は、大阪寿司が中心だ。

ささまき・けぬき・すし

そして、お店の方にお店の名前を聞いてみると「ささまき」「けぬき」「すし」

創業当初、魚の小骨「毛抜き」一本一本丁寧に抜いていたことが、「けぬき」の由来。

そして古人の知恵、殺菌効果のあるお寿司巻く

だから「笹巻き」「けぬき」「すし」

そういうことだったのか!

これで、すべてがクリアになった。

となれば、あとは、見た目うるわしいこの巻き寿司をいただくばかり!

まずは潮汁

お吸い物のフタを開ける。

おー、お頭付き潮汁(うしおじる)

よろこび勇んで、おはしを持とうとすると、一度奥にさがったお店の方が、お皿を持って再登場。

アラです、よろしかったらと。

ええっ、これってもしかしたらサービス?と、お店の方の顔を見ると、

はい、ない時は出せないのですが、ある時はサービスしています。

今日のアラは、カンパチです、と。

おおー、アラまで出していただき、ラッキー、超うれしい!

よーし、いただこう!

まずは、潮汁から!すすっ!

うわぁー、メチャメチャうまい!

出汁のきいたいい味わい、塩加減も絶妙!

さすが、300年の超老舗の一杯だ!

メインディッシュの「笹巻けぬきすし」

よし、メインディッシュ「笹巻けぬきすし」をいただこう!

あれれっ、醤油皿がないぞ。

んんっ?

するとお店の方がすっと来て、お醤油はつけずにお召し上がりください、と。

お店の方によると、この巻き寿司は、冷凍技術のない元禄時代からの伝統の調理法

お酢は、今のにぎり寿司よりも強め。お醤油はつけなくても大丈夫とのことだ。

そういうことか。

そして、5ケある笹巻きすし。

何のお寿司かさっきお品書きに書いてあったような気もするが、お店の方に聞いてみる。

光もの白身おぼろ玉子海苔、とのことだ。

よーし、了解だ!

さて、どれから、いただこう!

と思ったが、に包まれているから、どれがどれなのかかわからない。

わかるのは、玉子が見える玉子巻きだけだ。

しかしここは大江戸神田、大東京!

気風のいい、江戸っ子気分でいこう!

細かいことは気にせず、右端の玉子巻きからどんどんいただこう!

玉子

「玉子巻き」の笹を開くと、ほのかな笹の香り

いい香りだ、パクリ!

おおっ、薄く焼かれた玉子には、しっかりとしたふっくら感

もちっり系のシャリと対照的で、食感のコントラストが楽しい。

そして玉子は甘くなく、やや強めのお酢と相性がいい。

う~ん、いい感じゃないか!

白身

よし、次のひと巻きもいってみよう!

今度は何のお寿司だろうか。

なにかドキドキ感があって楽しくなってきた。

おっ、白身だ!

おはしでつまんでパクリ!

おっ、魚自体もでしめているから、さっきよりもお酢感がつよめ。

しかし、つよめの酸味が、その分魚の旨みを引き立てる!

さらに酸味は食欲を刺激する。どんどんいける、おすしが進む!

おぼろ

間髪入れずに次のひと巻きを、ぱかりと開く!

おっ、今度はおぼろだ!パクリっ!

う~ん、上品でほのかな甘さ!

んんっ、香ばしい感じもする。

前を通ったお店の方に聞くと、海老入りおぼろとのこと。

おー、海老入りか!

さすが300年の老舗、ひとつひとつにこだわりを感じる。

コハダ

そして次のひと巻きを開ける。

おおっ、光もの!コハダだ!

見るからにうまそう!パクリっ!

おおー、いい〆具合!

さすが、超老舗、老舗の殿堂!これぞ伝統300年の職人技!

すばらしい!

アラ

そして、お寿司が残りひとつとなったところで、アラをいただく。

う~ん、脂が乗っていて、メチャうまい!

これがサービスとは、ありがたい。めちゃトクをした気分だ。

海苔巻き

そして、最後のお寿司。

しかし、これは何のお寿司か、開けずにわかる。

まだ登場していない、海苔巻きだ。

ちょうどいい順番になった。

最後はさっぱり系で〆るのがいい。パクリっ!

おおっ、口に入れた瞬間、磯のかおりが鼻を抜ける。

いい海苔を使っている。

そしてシャリの中には、薄く、長く切られた干瓢(かんぴょう)

やさしい感じの淡い味付けで、〆のネタにピッタリだ!

ふー、ごちそうさまでした!

最初つよめに感じたお酢は、だんだんとそう感じなくなってきた。

ネタの旨みを引き出す魔法のソース、心地いい味わいに変わっていった。

300年の伝統に大満足!

席を立ち、カウンターで会計をする。

下を見るとお持ち帰り用「笹巻けぬきすし」

お持ち帰り用の「笹巻けぬきすし」

5ケ入りは、7ケ入りとも、潮汁が付かない分、店内よりも、ちょっとお安くなっている。

そして「5ケ」と「7ケ」の違いは、「7ケ」には「海老」が入り、「海苔巻き」2つになる。

そして、すぐさま、「折詰7ケ入りも、お願いします!」。

お店に入った時、5ケにするか、7ケにするか葛藤していた自分がウソのようだ。

しかし、このおいしさを知ってしまった以上、この選択、この行動はやむなしだ。

7ケ入りは、今夜 with Beerでいただこう!

店内5ケ、お持ち帰り7ケの会計を済ませて、お店をでる。

ランチ5点セット

さすが伝統300年、すばらしかった!と後ろを振り返ると、

ランチ5点セット

穴子・ねぎとろ・まぐろ 三食丼

けぬきずし(玉子・海苔巻き)

小鉢 漬物 お吸い物

おおっ、こんなフルコースな、おトクなセットもあったのか。

よし、今度は来た時は、これをいただいてみよう!

お店の案内

【笹巻けぬきずし 総本店】

 千代田区神田小川町2-12

 03-3291-2570

 小川町駅3分・御茶ノ水駅6分

 10:00-18:30・土曜17:00まで

 日祝定休

※営業時間等、最新情報はお店にご確認ください。

【地 図】

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