【かめや】ここは新宿西口、思い出横丁!元祖「天玉そば」がたまらない!
新宿西口で楽しく飲んで、帰路新宿駅に向かう。
スマートな超高層ビルが立ち並ぶ新宿西口。
ふと脇を見ると、「思い出横丁」。
数多くの昭和な飲み屋さんや下町系の飲み屋さんが集まり、軒を並べる。超高層ビルの前、異彩を放つ空間だ。
観光客も多く訪れ、今や新宿の名所のひとつにもなっている。
そうした異彩を放つ空間の中に、異彩を放つお店がある。
オンリーワンのスタンドそば屋、元祖天玉そばの「かめや」だ。
最近「かめや」に行っていない。そう思うと、あの「天玉そば」が食べたくなってきた。
よし、今日は〆ラーではなく、「かめや」で〆そばにしよう。
今や大人気店の「かめや」。今日も混んでいるのだろうか。
しかし食べたくなったら止まらない。多少待つのは、やむなし。行ってみよう!
だが行くと言っても、思い出横丁。広いわけではない。
入口から10メートルちょっと、すぐに到着。
おっ、ラッキー!一席だけ空いている。
席数8席ほどのカウンター。
いいですか?ソーリーと、となりの女性客や外人さんにも気を使いながら、椅子に座る。
もちろん注文するのは決まっている。
元祖 天玉そば!
そして、「お宝」を待つ。
このお店にはじめて来たのは10年以上前だ。
その時、ここの「天玉そば」には衝撃を受けた。
当時は、そばに「たまご」と言えば、生たまご。そう、「月見そば」しか頭になかった。
しかし「月見そば」はうまいが、弱点がある。「たまご」の黄身が「つゆ」に溶け込んでしまうことだ。
たまごすべてを味わうためには、つゆを全部飲み干すしかない。
しかし、東京でそばの「つゆ」を飲み干すのは無粋!
飲み干していいのは、年の瀬だけ。
洗いものを増やさないように、「年越しそば」のつゆは飲んでもいい!
と、95歳の大往生で亡くなったじいちゃんから、きつく言われていた。
飲み干すべきか、飲み干さざるべきか、よく葛藤していた覚えがある。
いいじいちゃんだった。
だが、言っていたことが正しいか。
そして、じいちゃんが生粋の江戸っ子だったかは、いまだわからない。
とは言うものの、「つゆ」に残った「たまご」が心惜しいのは事実。
また、出汁のきいた「つゆ」が「たまご」で薄まってしまうのが残念なのも事実。
しかし、しなやかな「そば」にガチガチの「ゆでたまご」とういうのもちょっと無粋な気がする。
生もダメ、ゆでもダメ。
そんな悩み多き時代に出会ったのが、ここの「天玉そば」だった。
生たまごでも、ゆでたまごでもなく、そばに入っていたのは、なんと「温玉」だった!
割っても黄身がつゆにとけ込まない。かつ、ミデアムレアなたまごの味わいも楽しめる。
生たまごの弱点を補い、無粋なゆでたまごでもない。
当時の私にとっては、衝撃だった。すばらしい発想に感動したものだった。
と、個人的な経験を回想をしていたら、「お宝」登場した!
相変わらず、早い!
ポケットに用意した500円玉を店員さんに渡し、丼ぶりとおつりを受け取る。
さあ、いただこう!
ここのそばは、自家製、ゆで立てだ。
すすっ。う~ん、うまい!
そばは生きもの、ゆで立てが一番!
お値段のお高い名店でも、スタンドそば屋さんでも、ゆでたてはみなうまい!
そして丼ぶりを両手でもって「つゆ」をひと口飲む。
う~ん、「たまご」で薄まらず、出汁とカエシのきいた「つゆ」をしっかり味わえるのがうれしい。
そう言えば「かめや」は、上野にあるうなぎで有名な割烹の「亀屋」がルーツ。
と、じいちゃんが言っていたような気がする。
確かに、この「つゆ」、スタンドそばの中では、群を抜いている気がする。
じいちゃんが言っていたとおり、ルーツは割烹系なのだろうか?
ラッキーなことに、店員さんの手があいたところ。
聞いてみようとしたら、となりに座ったアメリカ人(?)から話しかけられ、聞くタイミングを逸してしまった。
仕方ない。国際親善も大事。店員さんに聞くのは次回にしよう。
それより、手を休めてはいけない。
料理が冷めてしまったら、もったいない。そろそろ「天ぷら」にいこう。
最近よく行くスタンドそばの「いわもとQ」では、注文を受けてから天ぷらを揚げる。
揚げたてだからうまい!天ぷらも、高級天ぷら店、スタンドそば屋さんを問わず、 揚げ立てが一番だ。
ここ「かめや」の「天ぷら」は注文を受けてから揚げる訳ではないが、目の前で揚げている。
回転がすさまじく早いので、揚げ置いておく時間が超短い。実質、揚げ立てだ。ぱくり!
サクっと、うまい!
さらに「肉厚」で、食べ応えも十分!「天ぷら」でも、群を抜いている気がする。
よし次は、お待ちかねの「温玉」だ。ぱかりと割る。
これ、これっ!
温玉だから、「つゆ」に溶け出さない。「つゆ」を飲み干すことなく、「たまご」をすべていただける!
そして「つゆ」をちょっとだけ残して、温玉も、そばも、天ぷらも完食!ごちそうさまでした!
久しぶりの「かめや」の〆そばに満足!再び帰路、新宿駅に向かう。
そして高層ビルを見上げながら、ふと思う。
新宿西口。再々開発されたとしても、異彩を放つこの空間、異彩を放つこのお店は残しておいてもらいたいものだ!
【かめや】
新宿区西新宿1-2-10 新宿駅すぐ
03-3344-3820
24H営業
日曜定休 月曜0:00-6:00休
※料金、営業時間等、最新情報はお店にご確認ください。
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