【打心蕎庵(だしんそあん)】趣きある名店で、優雅に「九条ねぎ」そばをいただく。
《下北沢》
昨夜は、ちょっと調子に乗り過ぎたか?(→第17話「食」のハーフマラソン)若干の胃もたれ…。
今日のランチは、さっぱり系でいこう。
そうだ!、シモキタに着任した夏に、教えてもらった「すだちそば」、「打心蕎庵」にしよう。
あの時食べた「すだちそば」!
冷たいそばに、器いっぱいの輪切りのすだち。
ビジュアルはもちろん、すっきりとした味わいがすばらしかった!
しかし今は冬。「すだちそば」は夏限定と店員さんが言っていたような…。
んー。が、考えるより行くが早し。当店を目指す。
当店は駅から10分ほど。喧噪を離れ、ちょっと奥に入った住宅街にある。
おー、相変わらず趣きのある店構えだ。
外のれんをくぐり、10メートルほど庭を歩いて入店する。
ハイソ感いっぱいのお店だ。
さて「すだちそば」はあるかなー?と、メニューを見てみる。
なかった…。店員さんにも確認したが、「すだちそば(1,500円)」はなかった…。やはり夏限定とのことだった。
ショック…。
あきらめてメニューを見る。
そして店員さんに再度聞いてみる。さっぱりしたものは?と。
「温かいおそばの“九条ねぎ”はいかがでしょうか?」と店員さん。
ん?京野菜の「九条ねぎ」?
「九条ねぎ」と聞いて、たまに行く「京都ラーメン 新福菜館」(麻布十番)を思い出した。
「九条ねぎ」をふんだんにトッピングした、黒いスープの京都ラーメンのお店。
あそこの「中華そば(700円)」のイメージか?
いやいや、「九条ねぎ多め(+100円)」にしたイメージか?
しかし、さらに店員さんに聞いていると、このイメージは違っているらしい。
「九条ねぎそば」の「たね」は「九条ねぎ」のみという。
「新福菜館」の「中華そば」にも、「チャーシュー」とかが入っているよな…。
んー、それに「そば」に「ねぎ」が合うのは当たり前。鴨南蛮、カレー南蛮でも「ねぎ」がないと、しまりが悪い。
しかし「ねぎ」は「脇役」のはず。それを「主役」で、かつ「脇役」なしで採用?
んー、イメージがわかない。果たしてどんな「そば」なのか?
いや、ちょっと待てよ。
夏に食べた「すだちそば」も「すだち」以外の「たね」はなかった。
それと同じことか!と納得し「はい、九条ねぎそば(1,400円)をお願いします!」と元気に注文。
見事な立ち直りだ。
「すだちそば」がなかったショックも、新福菜館の「中華そば」のこともをすっかり忘れ、当店の「九条ねぎ」に関心は完全に移っている。
そして目の前の中庭を見ながら、優雅に「お宝」を待つ。
店内では、ガラス越しにそば打ち処も見える。
おそば屋さんというより、割烹、小料理屋のような店内空間。
う~ん、優雅~!
そして、10分ちょっと「優雅」を楽しんだところで「お宝」が登場した。
おー、これが「九条ねぎそば」か!
器いっぱいに九条ねぎ!「未知との遭遇」だ!
それでは、いただこう。まずは「そば」から。
う~ん、さすが名店!
温かいそばも、いいのど越し!
そうだ、当店の名刺に「よんたてそば 打心蕎庵」と書いてあったよな。
「よんたて」ってなんだろう?
店員さんに意味を聞いてみると、「挽きたて・打ちたて・茹でたて」の「さんたて」に加え、「採りたて」。
当店の自慢らしい。
そうなのか。そりゃ、うまいはずだよなーと、襟を正しておそばをいただく。
そして「九条ねぎ」もいただいてみる。
おー、いいっ!南蛮そばに入っている「白ねぎ」よりも深い味わいがある。
薬味の「輪切りのねぎ」のような、単純な辛味でもない。
さっぱりしていて、かつ深い味わい、甘みがある。
食べ続けても、辛さや苦みを感じない。
さすが名店!
「九条ねぎ」の良さとうまさを最大限に引き出している。
これだけで「たね」になる逸品に仕上げている。
そして優雅に「九条ねぎそば」を完食。最後、濃いめのそば湯で〆る。
ごちそうさまでした!
これだけの「ねぎ」をいただいたのだから、しばらく風邪もひかないだろう。
不思議なことに、胃もたれもなくなってきている。
うまいだけじゃない!「九条ねぎそば」、いいじゃないか!
それと。
次回の「ハーフマラソン」は3月の予定。次回の「完走ごほうび」は、ムチャせず、ここで優雅に、ミニコースの「昼膳(3,600円)」をいただいてみようか。
【①打心蕎庵/下北沢】
世田谷区代沢3-7-14 下北沢徒歩10分
03-5431-0141
11:30-21:30 火曜定休
月・水-金の15:00-17:30は休
※「そば打ち」、はじめてみませんか?
【②新福菜館/麻布十番】
港区麻布十番1-2-5 麻布十番駅徒歩2分
03-6441-3395 11:00-23:00
【地図】
※最新情報はお店にご確認ください。