【揚子江菜館】冷やし中華のルーツ!創業明治39年、神田神保町の老舗で「元祖冷やし中華」いただきました!
今日行くのは、明治39年(1906年)創業の老舗中華料理店。
神保町にある「揚子江菜館」。
そして、いただくのは「元祖冷やし中華」!
神保町すずらん通りを進むと、トレードマークの京劇のお面!
ここだ!
ビルは今風、老舗感のある建物ではない。
しかし入口には「創業明治三十九年」の看板。
さあ、入店しよう。
感じのいい店員さんの案内でテーブル席につく。
奥に長い店内、2階、3階にも客席があるようだ。
オーダーは決まっているが、念のためテーブルのメニューに目を通す。
おっ、あった!
当店古き良き昭和の味 人気メニューの一番上に、「五色涼拌麺(元祖冷やし中華)」!
「元祖冷やし中華」は、二代目店主が昭和8年(1933年)に考案したのがはじまりだ。
早速、店員さんに声をかけ「五色涼拌麺(元祖冷やし中華)」を注文。
お茶をいただきながら、しばし待つ。
おっ、湯のみには、トレードマークのお面!
おはしにも!
徹底したCI戦略か。
創業1906年、100年以上続く老舗のポリシーみたいなものを感じる。
そして待つこと10分ほどで、お待ちかねの「お宝」が登場した!
おー、これが冷やし中華のルーツ、「元祖冷やし中華」か!
「元祖冷やし中華」は富士山をモチーフにデザインしたとのこと。
上に乗る「錦糸玉子」は富士の山頂にかかる雲。色とりどりのトッピングは「富士の四季」を表現したものらしい。
美しく富士山のように盛り付けられた「元祖冷やし中華」、それではいただこう!
と思ったが、問題が…。
これ、どこから見てもトッピングに覆われていて、麺が見えない。
どこから麺をすくえばいいのだろうか!?
考えるより、動くが早し。
麺より先にトッピング。
取りやすい海老からいただいてみよう。ぱくりっ。
おー、完全にはゆで上げずに寸止め!
海老のぷりぷり感とジューシーな味わいが楽しめる!
続いて、干し椎茸もいってみよう。ぱくりっ!
おっ、これは傘が「満開」した椎茸ではなく、「七分咲き」の椎茸。
旨みのつまった「冬菇(どんこ)」か。ぱくり。
うまい!食材よろしく、上品な甘辛い味付けも見事!
これだけで白いごはんなら、軽く一杯、二杯いけるレベル感だ。
おっ、麺が見えて来た。
よし、と麺を引き上げる。
おー、これが「元祖」の麺か!
今時の冷やし中華と違って、ストレート系の細麺だ。
そして、すすっと。
おっ、もっちりタイプではなく、柔らかな、やさしいタイプの麺だ。
ハリのある「撥水加工」ではなく、まったりと汁に馴染む感じがする。
そして汁も今時の冷やし中華よりも、黒酢のようなコクと甘みがある。
酸味もはじける感じではなく、まったりとした、優しい甘酸っぱさだ。
これが今の冷やし中華の「原型」か!
昭和にタイムスリップ、感慨深さではしがとまる。
そして数秒後、我に返る。おっと、まだ食べ始めだ。はしをとめてはいけない。
「五色涼拌麺(元祖冷やし中華)」、「ごもく」の食材を存分に楽しもう!
まずは、きゅうり!
へなへなしていない。シャッキリしたいい食材だ。
そして透き通った寒天!
食感だけではなく、汁が馴染んで、味わいもグット!
きれいな色をした叉焼は、均整がとれた味わい。中華の老舗らしい逸品だ!
そして気になっていたブラウンのトッピング。
これは何だろう?
木耳(きくらげ)だろうか?ぱくりっ!
おっ、煮タケノコだ。
柔らかい食感と本格中華ならでは味わいがとてもいい。
サヤいんげんも一緒にいただくと、食感と味わいに幅がでる!
よし、この辺りで味変、お酢とカラシの味変も楽しもう。
お酢もカラシもいいアクセント!
一粒で二度、三度おいしく、とても楽しい!
よし、富士山の「雲」、キレイな錦糸玉子もいただいてみよう。
う~ん、いい口直しだ!
あれれっ、錦糸玉子の下からうずらの玉子、鶏つくねも出て来た!
つくねには、ほんのり生姜も。手を抜かない仕事振りはすばらしい。
んっ、ちょっと待てよ?ここでふと気付いた。
この冷やし中華は「ごもく(五目)」だったはず。
しかし今まで食べたのは、
①海老、②椎茸、③きゅうり、④寒天、
⑤叉焼、⑥タケノコ、⑦サヤいんげん、
⑧錦糸玉子、⑨うずら、⑩鶏つくね!
「五目」ではなく「十目」!
「元祖冷やし中華」は10種類もの具材がトッピングされた、贅沢な冷やし中華だったのか!
「元祖」の全容を解明、そのおしいさを認識すると、もうはしは止まらない!
またたく間にいただきき完食!
大満足!ごちそうさまでした!
会計時、店員さんに聞くと、「元祖冷やし中華」は通年メニュー。
いつでも食べられるとのこと。
ということは、巷で初夏あたりから出始める「冷やし中華、はじめました!」ののぼりやポスター。
それは、当店にはないということか。
さすが、元祖冷やし中華!365日、冷やし中華とともにか!
【揚子江菜館】
千代田区神田神保町1-11-3
神保町駅2分
03-3291-0218
11:30-22:00
※料金、営業時間等、最新情報はお店にご確認ください。
【地 図】
☆ちなみに、揚子江菜館は「鬼平犯科帳」「真田太平記」で有名な作家、池波正太郎先生も通い詰めたお店。
先生の一番のお気に入りは「上海炒麺(上海式焼きそば)」。麺のタイプは「柔らかい麺」だったそうです。
※「うまログ!」は、木村進の食べ歩きのブログサイトです。
※サイトは毎週更新。新着情報は Twitter(X) でお知らせしています。